【エアコン2027年問題とは!?】エアコン買い替えは待つべき?急ぐべき?賢い乗り越え方を解説
2027年4月以降に予定されている、エアコンの省エネ基準改正。いわゆる「エアコンの2027年問題」という言葉を、ニュースやハウスクリーニング関連サイトで目にする機会も増えてきました。
この制度の変更により、エアコンの選び方や付き合い方が、これまでとは変わろうとしています。
一方で、
- 「今使っているエアコンはどうなるのか」
- 「今のうちに買い替えた方がいいのか、それとも新基準を待つべきなのか」
といった声も多く聞かれるようになってきています。情報が先行する一方で、判断に迷っている方が多いのではないでしょうか。
本記事では、ハウスクリーニングの現場やお客様相談を通じて見えてきた実情を踏まえながら、エアコンの2027年問題を「掃除・修理・買い替え」の観点から整理していきます。
無駄に不安を煽る記事ではなく、これから先を見据えた“現実的な判断基準”をお伝えできればと思います。
※本記事の内容は2026年2月時点の情報に基づいています。制度や市場の状況は変更される可能性がありますので、エアコンの購入前には最新情報をご確認ください。
エアコンの2027年問題とは?基礎知識を整理
まずは、主題となるエアコンの2027年問題について、簡単に整理していきましょう。
2027年4月から何が変わるのか
2027年4月、家庭用エアコンに関する大きな転換点を迎えます。基準改正を境に、現在販売されている多くのエアコン、特に低価格帯の省エネでないモデルが製造・販売できなくなるのです。
これは製品の品質に問題があるからではありません。国が定める新しい省エネ基準をクリアできないことが増えるためです。つまり、2027年4月以降、エアコン市場から「お手頃価格のエアコン」が姿を消す可能性が高いのです。
省エネ法改正とAPF基準の引き上げ
この変化の背景にあるのが「省エネ法」の改正です。正式には「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」といい、エネルギーを多く消費する製品に対して省エネ性能の向上を求める法律です。
エアコンの省エネ性能を示す指標が「APF(Annual Performance Factor/通年エネルギー消費効率)」です。この数値が高いほど、同じ冷暖房能力でも消費する電力が少なく、省エネ性能に優れていることを意味します。
現行の基準では、APFは4.9~5.8程度ですが、2027年度からは6.1~6.6と、13.8%以上の改善が求められます。特にリビング用として人気の14畳タイプ(冷房能力4.0kW)については、なんと35%近くもの改善が必要とされています。18畳タイプでも、26.0%です。
なぜ今、この問題が注目されているのか
地球温暖化対策は世界的な喫緊の課題。日本でも2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、あらゆる分野で省エネ化が進められています。
家庭のエネルギー消費の中で、エアコンが占める割合は非常に大きく、夏場には全体の約30%にも達すると言われます。そのため、エアコンの省エネ性能を向上させることは、国全体の電力消費削減に直結する重要な施策なのです。
また、近年は電力需給が逼迫する場面も増えており、省エネ性能の高いエアコンへの転換は、電力の安定供給という観点からも重要視されています。
低価格帯エアコンが市場から消える理由
現在販売されている低価格帯のエアコンは、シンプルな設計でコストを抑えることで手頃な価格を実現しています。しかし、新しい省エネ基準を満たすためには、高効率コンプレッサーや改良された冷媒、AI制御などの新技術が必要になります。
これらの技術を搭載すると、当然ながら開発費や部品コストが上昇します。その結果、メーカーは低価格帯のモデルを新基準に対応させることが難しくなり、市場から撤退せざるを得ないのです。
2027年問題が私たちの生活に与える3つの影響
というわけで、エアコン2027年問題に関しての影響をまとめます。
1. 購入価格の上昇 新基準に対応したエアコンは、従来の低価格帯モデルと比べて3割以上高くなる可能性があります。6畳用で5〜6万円だったものが、7〜8万円以上になることも予想されます。
2. 選択肢の減少 「とにかく安く」という選び方が難しくなります。すべてのモデルが省エネ・高性能化するため、機能や価格帯の選択肢が限られてしまう可能性があります。
3. 修理・メンテナンスの困難化 エアコンの部品保有期間は製造から9~10年です。2027年以降、時間が経つにつれて現行モデルの部品が入手困難になり、修理ができなくなる可能性があります。
エアコンの省エネ性能が良くなるのは良いのですが、選択肢が限られるのがデメリットですね。
【タイプ別診断】あなたは「待つべき」?「急ぐべき」?

エアコン2027年問題に伴い、買い換えを検討される方もいらっしゃるかもしれません。
どういった方が「急ぐべき」「待つべき」かを考えてみましょう。
今すぐ買い替えを検討すべき人の特徴
使用年数10年以上のエアコンを使っている エアコンの平均寿命・耐用年数は約10年とされています。10年以上使用している場合、いつ故障してもおかしくない状態です。故障してから慌てて探すと、希望する機種が品薄で手に入らない可能性があるのです。
故障の予兆が見られる(異音・水漏れ・効きの悪化) 以下のような症状が出ている場合は要注意。
- 運転中に異音がする(カラカラ、キーンなど)
- 室内機から水が漏れる
- 冷暖房の効きが明らかに悪くなった
- 運転開始までに時間がかかる
- リモコンの反応が悪い
これらは故障の前兆である可能性が高く、早めの買い替えを検討すべきです。
複数台の買い替えが必要 戸建て住宅などで複数台のエアコンを使用している場合、すべてを一度に買い替えるには大きな出費になる可能性があります。
2026年中であれば低価格帯モデルを選べるため、費用を抑えながら計画的に買い替えることができます。
予算を抑えたい(低価格帯希望) 初期費用をできるだけ抑えたい方にとって、自由に低価格帯モデルが選べる今が最後のチャンスです。2027年の新制度以降は高価格帯モデルしか選択肢がなくなる可能性があります。
賃貸オーナー・管理会社の方 賃貸物件に設置するエアコンは、できるだけコストを抑えたいというニーズがあります。複数の物件・部屋分のエアコンを管理している場合、2026年中の買い替えが経済的になりそうです。
待つべき人の特徴
現在のエアコンが比較的新しい(5年以内) まだ新しいエアコンを使っている場合、無理に買い替える必要はありません。故障するまで使い続け、その時点で最新の省エネモデルを購入する方が、トータルでの環境負荷も少なくなります。
予算に余裕がある 初期費用の上昇を許容できる経済的余裕がある場合も、無理に買い替える必要はありません。必要なタイミングで購入されるのが良いでしょう。
補助金・助成金の活用を検討している 国や自治体の補助金制度は、常に行っている訳ではありません。適した補助金・助成金が始まったタイミングを待てば、お得に購入できる可能性があります。
慎重に見極めが必要なケース
使用年数8〜10年のエアコン 故障のリスクが高まる時期ではありますが、あと数年は使える可能性も充分あります。動作状況やメンテナンス状況を確認し、2026年の早い内にプロのクリーニングを受けてから判断するのもありです。
冷暖房の効きに若干の不満がある 効きの悪さがエアコン本体の劣化によるものなのか、汚れによるものなのかを見極める必要があります。専門業者によるクリーニングで改善することも多いため、まずはハウスクリーニング業者に問い合わせをしてみることをお勧めします。
メンテナンス状況が不明 中古物件を購入した場合など、エアコンの使用年数やメンテナンス履歴が分からないことがあります。この場合、専門業者に点検を依頼し、状態を把握してから判断することをお勧めします。
2027年問題で何が起こる?具体的な影響を徹底解説

エアコン価格の上昇幅はどのくらい?
機種別の価格変動予測 現行の低価格帯モデルと2027年以降の新基準対応モデルでは、以下のような価格差が予想されます。
- 6畳用(2.2kW):5万円台 → 7〜8万円台(約40〜60%上昇)
- 10畳用(2.8kW):7万円台 → 9〜11万円台(約30〜50%上昇)
- 14畳用(4.0kW):8万円台 → 15万円台以上(約80%以上上昇)
あくまで現時点での筆者の推定ですので、実際はことなる可能性があります。
6畳用・14畳用の価格比較シミュレーション 現在、6畳用のスタンダードモデルは本体価格5〜6万円程度で購入できます。これが2027年以降は7〜8万円以上になる可能性もあります。
14畳用のリビングタイプはさらに影響が大きく、現行の8万円台から15万円台以上へと、ほぼ倍増する可能性もあります。これは、14畳用に求められる省エネ基準の改善率が約35%弱と特に高いためです。
取り付け工事費用への影響 本体価格だけでなく、工事費用にも影響が出る可能性があります。駆け込み需要により工事業者への依頼が集中すると、繁忙期料金が適用されたり、予約が数週間先まで埋まったりすることも考えられます。
通常、エアコンの取り付け工事費用は1万5千円〜3万円程度ですが、需要が集中する時期には5万円以上になることもあり得るかもしれません。
選べる機種が減る?ラインナップの変化
スタンダードモデルの販売終了? 現在、各メーカーは「エントリーモデル」「スタンダードモデル」「プレミアムモデル」といった階層でラインナップを展開しています。このうち、エントリーとスタンダードの大部分が新基準を満たせず、販売終了となる可能性があります。もしくは、名称だけは残して中身が変わるかもしれません。
プレミアムモデル中心の市場へ 2027年以降の市場ではこれまで高級機にしか搭載されていなかった機能が、標準的な仕様になっていく可能性があります。
メーカー各社の対応方針 各メーカーは新基準に対応するため、以下のような戦略を取ると予想されます。
- 高効率技術の標準化
- 付加機能の見直し(コスト削減のため)
- 新たな価格帯の設定
- 海外メーカーの参入増加
メーカーさんもがんばってくれるとは思いますが、価格は上がる可能性が高いです。
2026年に予想される駆け込み需要
いつから品薄が始まるのか 2027年問題が広く認知されるにつれて、2026年の春頃から駆け込み需要が本格化すると予想されます。特に以下の時期は要注意と推測します。
- 2026年4〜6月:ゴールデンウィーク前後から需要増
- 2026年7〜9月:夏の繁忙期と重なり、さらに混雑
- 2027年1〜3月:販売終了前の最後の駆け込み
夏前の繁忙期との重なり もともとエアコンは夏前から夏にかけてが最も売れる時期です。ここに2027年問題による駆け込み需要が重なると、これまでに経験したことのないような混雑が発生する可能性もあります。
工事業者の予約困難化 エアコンは購入しても、取り付け工事が必要です。工事業者の人手には限りがあるため、需要が集中すると予約が取れない、または工事日が数週間〜1ヶ月以上先になる可能性があります。
真夏の猛暑日にエアコンが故障し、新しいエアコンを購入しても工事が1ヶ月先、という事態も起こり得るのです。近年の夏は非常に高温になるため、これは怖いですね。
修理・メンテナンスへの影響
部品保有期間(製造から9〜10年)の問題 家電製品には「補修用性能部品の保有期間」というものがあり、エアコンの場合は製造打ち切り後9〜10年間とされています。つまり、2027年3月に製造が終了した機種の部品は、2036〜7年3月までしか保証されません。
旧型エアコンの修理が困難に 2027年以降、時間が経つにつれて現行モデルの部品在庫が減少していきます。故障した際に「部品がないので修理できません」と言われるケースが増えていくでしょう。
メンテナンス費用の高騰リスク 部品が希少になると、修理費用も高騰する可能性があります。また、技術者も新しいモデルの対応に注力するため、旧モデルの修理に対応できる業者が減ることも考えられます。
2027年以降のエアコン市場の展望
高性能化による新たな選択肢 新基準に対応したエアコンは、省エネ性能だけでなく、快適性や利便性も向上すると推測します。IoT対応やスマートフォン連携、より精密な温度制御などが標準装備になる可能性があります。
付加機能の見直し(センサー・自動お掃除など) 一方で、価格を抑えるために一部の付加機能が省略されることも予想されます。人感センサーや自動お掃除機能など、必須ではない機能は選択制になるかもしれません。無くても良い機能が無くなり、価格に反映されるなら良いですよね。
エアコンとの付き合い方の変化 これまでは「壊れたら安いのに買い替える」という使い方も可能でしたが、今後は「高価なものを長く大切に使う」というマインドチェンジが必要になります。定期的なメンテナンスやクリーニングの重要性が、これまで以上に高まるでしょう。
特に定期的なエアコンクリーニングは極めて重要です。
今買い替えるメリット・デメリット完全比較

エアコン2027年問題が発生する前、つまり2026年の内に買い換えを前向きに検討されている方もいらっしゃることでしょう。そんな方向けに、メリットとデメリットをまとめました。
2026年中に買い替えるメリット
低価格帯モデルが選べる最後のチャンス 2026年は、手頃な価格でエアコンを購入できる最後の年となる可能性があります。予算を抑えたい方にとっては、今は買い時といえるでしょう。
初期費用を大幅に抑えられる 同じ部屋に設置するエアコンでも、2026年と2027年では3〜8万円程度の価格差が出る可能性があります。複数台購入する場合、この差はさらに大きくなります。
工事予約が比較的スムーズ 2026年前半であれば、まだ駆け込み需要は本格化していないため、希望する時期に工事予約が取りやすい状況です。
選択肢の豊富さ 現時点では、各メーカーが多様なモデルを展開しています。部屋の広さ、予算、求める機能に応じて、最適な機種を選ぶことができます。
2026年中に買い替えるデメリット
省エネ性能は現行基準 新基準対応モデルと比べると、省エネ性能では劣ります。長期的に見れば、電気代の差が積み重なっていきます。長期的な電気代は高めなので、10年間使用した場合、新基準対応モデルとの電気代の差は数万円〜10万円以上になる可能性があります。
最新技術は搭載されていない 2027年以降に登場する新技術(より高度なAI制御、新型冷媒など)の恩恵は受けられません。ただ、必要が無い方にとっては必ずしもデメリットにはなりません。
環境への配慮は限定的 省エネ性能が低いということは、CO2排出量も多いということです。環境への貢献度は新基準対応モデルに劣る傾向にあるはずです。
2027年以降に買い替えるメリット
高い省エネ性能(APF向上) APF6.1〜6.6の高効率エアコンにより、従来モデルと比べて13.8%以上の省エネを実現できます。年間電気代は大幅削減。 例えば、14畳用のエアコンの場合、現行APF5.8のモデルでは年間電気代が約4万2千円ですが、新基準APF6.6のモデルでは約2万9千円と、年間1万3千円もの削減が期待できます。
10年間では13万円もの差になり、本体価格の差を十分に回収できる計算です。
環境負荷の低減 省エネ性能が高いということは、CO2排出量の削減にも直結します。環境意識の高い方にとっては、大きなメリットです。
最新技術の恩恵 より精密な温度制御、効率的な除湿、スマート連携など、最新技術による快適性の向上が期待できます。使う方にとっては大きなメリットです。
2027年以降に買い替えるデメリット
初期費用が3割以上高額になる可能性 最も大きなデメリットは、安いエアコンが無くなるため、購入時の出費が大きくなる傾向にあることです。「とりあえず安いもので」という選び方ができなくなります。特に複数台購入する場合、家計への負担は無視できません。
駆け込み需要後の市場混乱 2027年4月直後は、新モデルの供給が安定していない可能性があります。在庫不足や価格の変動が起こるかもしれません。
補助金制度の変更可能性 現在ある補助金制度が2027年以降も継続するとは限りません。制度の変更や終了により、期待していた補助が受けられないリスクもあります。今現在、補助金制度があれば、すぐに利用するのも手です。
【ケース別】最適な買い替え判断フローチャート

買い替えをするかの判断はどのようにすれば良いでしょうか。あくまで目安になりますが、参考になさってください。
使用年数から判断する
15年以上:即座に買い替え検討 15年以上使用しているエアコンは、いつ故障してもおかしくない状態です。部品の供給もすでに終了している可能性が高く、修理は困難です。2026年中の早い時期に買い替えることを強くおすすめします。
10〜15年:2026年中の買い替え推奨 平均寿命を超えており、故障のリスクが高まっています。また、10年前のエアコンは省エネ性能も現行モデルより大幅に劣る可能性があるため、買い替えることで電気代の削減効果も期待できます。駆け込み需要が本格化する可能性がある前の2026年前半〜夏までに決断するのが賢明です。
5〜10年:状態とニーズで判断 この年数帯が最も判断が難しいところです。以下の点を確認しましょう。
- 目立った不具合はないか
- 冷暖房の効きに満足しているか
- 定期的にメンテナンスしているか
- 今後何年使いたいか
問題なく使えていて、あと3〜5年は使いたいという場合は、プロによるクリーニングを受けて延命を図り、2027年以降の新モデルを待つのも選択肢です。
5年未満:基本的に様子見 まだ新しいエアコンを無理に買い替える必要はありません。故障するまで使い続け、その時点で最新の省エネモデルを購入する方が、経済的にも環境的にも合理的です。
不具合の有無から判断する
重大な故障・異音:即座に対応 以下のような症状がある場合は、すぐに対応が必要です。
- 電源が入らない、途中で止まる
- 焦げたような異臭がする
- 大きな異音(ガタガタ、ガリガリなど)
- 室内機から水が大量に漏れる
- ブレーカーが頻繁に落ちる
これらは重大な故障の兆候であり、修理費用も高額になる可能性があります。使用年数も考慮して、買い替えを検討しましょう。
効きの悪化・におい:クリーニングで改善可能性 以下の症状は、クリーニングで改善できることが多いです。
- 冷暖房の効きが以前より悪くなった
- カビ臭い、嫌なにおいがする
- 風量が弱くなった気がする
- 運転音が大きくなった
まずは専門業者にクリーニングを依頼してみましょう。内部の汚れが原因であれば、クリーニング後に性能が回復します。それでも改善しない場合は、買い替えを検討してください。
正常動作:使用年数と予算で判断 特に問題なく動作している場合は、使用年数と予算を総合的に考えて判断します。10年以上使用していて予算に余裕があれば買い替え、5年以内で特に不満がなければ様子見、といった具合です。
2026年中に買い替える場合の賢い進め方

いつまでに決断すべき?タイムリミット
ゴールデンウィーク前(4月)がベスト 実際はその時にならないと分かりませんが、少なくとも最も余裕を持って選べるのは、2026年4月までと推測します。この時期であれば、在庫も豊富で、工事の予約も比較的スムーズに取れるでしょう。じっくりと機種を比較検討できる時期です。決断をされたら急いだ方が良いと思います。
遅くとも夏前(6月)までに 本格的な夏を迎える前の6月までには決断したいところです。7月に入ると通常の夏需要に加えて駆け込み需要が重なり、希望する機種が品薄になったり、工事の予約が取りにくくなったりする可能性があります。
避けるべき時期(7〜8月の繁忙期) 7〜8月は通常でもエアコン業界の繁忙期です。ここに2027年問題の駆け込み需要が加わると、価格が高止まりし、工事の予約が数週間待ちになる可能性があります。新たに購入される予定があれば、できればこの時期は避けましょう。
低価格帯エアコンの選び方
APF値をチェック(少しでも高いものを) 同じ低価格帯でも、APF値には差があります。少しでも高いAPF値のモデルを選ぶことで、将来の電気代を抑えられます。APF5.0とAPF5.8では、年間で数千円の差が出ることもあります。
省エネラベルの星の数 製品に貼られている省エネラベルの星の数(★〜★★★★★)も重要な指標です。星が多いほど省エネ性能に優れています。同価格帯であれば、星の数が多いものを選びましょう。
型落ちモデルの狙い目 最新モデルにこだわらなければ、1〜2年前の型落ちモデルが狙い目です。性能はほとんど変わらないのに、価格が2〜3割安くなっていることがあります。むしろ最新モデルにこだわらない方が良いケースも多いです。
複数台まとめ買いの戦略
優先順位の付け方(リビング→寝室→その他) 複数台購入する場合は、優先順位を明確にしましょう。
- リビング:家族が最も長時間過ごす場所。性能と省エネ性のバランスを重視
- 寝室:睡眠の質に直結。静音性を重視
- 子ども部屋:使用頻度や使用期間を考慮
- 客間・予備室:使用頻度が低ければ最低限のスペックでOK
まとめ買い割引の活用 多くの販売店では、複数台同時購入で割引が適用されます。「2台で○○円引き」「3台以上で工事費無料」といったキャンペーンを活用しましょう。キャンペーンがなくとも、交渉次第でなんとか値引きしてくれることもめずらしくありません。
分散購入のメリット・デメリット 一度にすべてを購入するのではなく、分散して購入する方法もあります。
メリット:一度の出費を抑えられる、様子を見ながら判断できる デメリット:まとめ買い割引が受けられない、2回目以降の購入時に価格が上昇している可能性。
エアコンのプロが教える!見落としがちなポイント

APFと実際の電気代の関係
APF数値の見方 APF(通年エネルギー消費効率)は、1kWhの電力で何kWhの冷暖房能力を発揮できるかを示す数値です。
例えば、APF6.0の場合: 1kWhの電力で6kWhの冷暖房効果が得られる、という意味です。
具体的な電気代削減額の計算方法 実際の電気代削減額を計算してみましょう。
前提条件:
- 部屋の広さ:14畳
- 使用時間:年間1800時間
- 電気料金:30円/kWh
現行モデル(APF5.8)の場合: 年間消費電力量 = 4000W × 1800時間 ÷ 5.8 ≒ 1241kWh 年間電気代 = 1241kWh × 30円 ≒ 37,230円
新基準モデル(APF6.6)の場合: 年間消費電力量 = 4000W × 1800時間 ÷ 6.6 ≒ 1091kWh 年間電気代 = 1091kWh × 30円 ≒ 32,730円
年間削減額 = 4,500円
10年間の総コスト比較(現行機vs新基準機) 現行モデル(2026年購入):
- 本体+工事:10万円
- 10年間の電気代:37,230円 × 10年 = 372,300円
- 総コスト:472,300円
新基準モデル(2027年購入):
- 本体+工事:15万円
- 10年間の電気代:32,730円 × 10年 = 327,300円
- 総コスト:477,300円
この例では、10年間の総コストはほぼ同等となります。使用頻度が高ければ新基準モデルの方が有利、低ければ現行モデルの方が有利、ということになります。
省エネ性能だけで判断してはいけない理由
部屋の広さ・断熱性との相性 どんなに省エネ性能が高いエアコンでも、部屋の広さに合っていなければ効率が悪くなります。
- 小さすぎる:フルパワー運転が続き、効率が悪い
- 大きすぎる:頻繁にON/OFFを繰り返し、効率が悪い
また、断熱性能が低い部屋では、どんなエアコンを使っても効率は上がりません。
使用頻度・時間帯の影響 エアコンの使用頻度が低い部屋(客間、予備室など)では、高額な省エネモデルを導入しても元が取れません。使用頻度に応じた機種選びが重要です。
家族構成・ライフスタイルとの適合性
- 在宅時間が長い家庭:省エネ性能を重視
- 日中は不在が多い:タイマー機能や遠隔操作機能を重視
- 小さな子どもや高齢者がいる:安全性や空気清浄機能を重視
室外機の重要性と見落とされがちな問題
室外機の設置環境チェック 室外機の環境は、エアコンの性能に大きく影響します。
- 周囲に十分なスペースがあるか(前面20cm以上、側面10cm以上)
- 吹き出し口の前に障害物がないか
- 水平に設置されているか
- 雨ざらしになりすぎていないか
直射日光・風通しの影響 室外機に直射日光が当たると、熱交換効率が大幅に低下します。真夏の直射日光下では、エアコンの効率が20〜30%低下することもあります。
対策:
- すだれや日よけを設置
- 植栽で日陰を作る
- 室外機カバーを使用(ただし風通しは確保)
室外機クリーニングの効果 室外機の熱交換器(フィン)にほこりや汚れが詰まると、効率が大幅に低下します。定期的な清掃で冷暖房効率が回復し、電気代削減、故障リスクが低減します。
2027年問題Q&A|よくある疑問を解決

Q1: 2027年4月以降、今のエアコンは使えなくなる?
A: いいえ、使い続けることができます。
2027年問題は「新しく製造・販売されるエアコン」に適用される基準です。すでに設置されているエアコンや、2027年3月までに購入したエアコンは、そのまま使い続けることができます。
法律で使用が禁止されるわけではありませんので、安心してください。
Q2: 中古エアコンの購入はどうなる?
A: 中古市場には影響しませんが、おすすめしません。
中古エアコンの販売は規制の対象外なので、2027年以降も取引は可能です。ただし、
- 残りの使用可能期間が短い
- 省エネ性能が低い
- 保証がない場合が多い
- 取り付け工事費が別途かかる
これらを総合的に考えると、中古エアコンはリスクが高いためおすすめしません。
Q3: 業務用エアコンも同じ影響を受ける?
A: 影響を受けますが、適用時期が異なります。
天井埋め込み型や床置型などの業務用エアコンも省エネ基準の引き上げ対象ですが、適用は2029年度からとなります。家庭用壁掛けエアコンより2年遅れです。
店舗や事務所をお持ちの方は、2028年が駆け込み需要のピークになる可能性があります。
Q4: リース・レンタルエアコンの選択肢は?
A: 短期的な解決策として有効ですが、長期的にはコスト高です。
エアコンのリースやレンタルサービスも存在します。
メリット:
- 初期費用が不要
- 故障時の対応が楽
- 定期メンテナンス込み
デメリット:
- 長期的には購入より高コスト
- 中途解約が難しい
- 機種の選択肢が限られる
数年間の一時的な使用なら検討の余地がありますが、長期的には購入の方が経済的です。
Q5: 賃貸住宅のエアコンはどうなる?
A: オーナー側の判断次第です。入居者は大家さんに相談を。
賃貸物件に備え付けのエアコンの場合、原則以下です。
- 所有者はオーナー(大家さん)
- 買い替え判断もオーナーが行う
- 故障した場合はオーナーに連絡
入居者としては、エアコンの調子が悪い場合は早めに管理会社やオーナーに相談しましょう。2027年問題を説明すれば、早めの対応を検討してもらえるかもしれません。
Q6: 新基準エアコンは本当にお得なのか?
A: 使用頻度が高ければお得、低ければ割高になります。
新基準エアコンがお得かどうかは、使用頻度によります。
お得になるケース:
- 年間使用時間が長い(1500時間以上)
- リビングなど主要な部屋
- 在宅時間が長い家庭
- 10年以上使う予定
割高になるケース:
- 年間使用時間が短い(500時間未満)
- 客間など使用頻度が低い部屋
- 数年で引っ越す予定
自分の使用状況を考えて判断しましょう。
まとめ|あなたに最適な選択を見極めるために
判断基準の総まとめ
エアコンの2027年問題について、様々な角度から解説してきました。最後に、判断基準をまとめます。
今すぐ買い替えるべき人:
- 使用年数10年以上
- 故障の兆候がある
- 複数台の買い替えが必要
- 初期費用を抑えたい
慎重に判断すべき人:
- 使用年数5〜10年
- 不具合は軽微
- 予算と性能のバランスを重視
エアコンの2027年問題は、私たちの生活に確実に影響を与える大きな変化です。しかし、正しい知識と計画的な行動があれば、賢く乗り越えることができます。
本記事が、あなたにとって最適な判断をする助けになれば幸いです。
※再掲: 本記事の内容は2026年2月時点の情報に基づいています。制度や市場の状況は変更される可能性がありますので、エアコンの購入前には最新情報をご確認ください。
