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自分でエアコンクリーニングしても大丈夫?洗浄スプレーの落とし穴と、無理なく掃除できる範囲をプロが解説!

こんにちは!ハウスクリーニング歴20年、掃除が大好きな40代のプロハウスクリーニングのスタッフです。ここ最近、「エアコンクリーニングを自分でやってみたい」「スプレーを使って手軽に済ませたい」というお声をお客様からよく耳にします。

今では情報も豊富になり、ネットやSNSで“自分でやる派”が増えている印象を受けますね。

今回は、そんな背景もふまえて「洗浄スプレーでエアコンをクリーニング・掃除しても本当に大丈夫なのか?」というテーマでお話しします。

この記事では、洗浄スプレーの仕組みやリスク、使ってしまった後の対応、そしてどうしても自分で掃除したい場合の注意点まで、プロの視点で詳しくご紹介します!エアコンクリーニングの参考にしていただければ幸いです。

エアコン洗浄スプレーとは!?

本ページをご覧の方はすでにご存じと思いますが、エアコン洗浄スプレーとは、市販されているスプレータイプの洗剤です。主に「熱交換器(フィン)」部分に吹きかけて汚れやカビを落とすための製品です。

エアコン洗浄スプレーの種類

エアコン洗浄スプレーには主に「外装用」と「内部用」の2種類があります。

  • 外装用スプレー
    本体のカバーやフィルター周辺の汚れを落とすためのもので、比較的安全に使用可能。これらはエアコンの表面やフィルターに付着したホコリや軽いカビを取り除くことが主な目的です。家庭でも扱いやすいように設計されており、直接的にエアコン内部に噴射する必要がないため、トラブルに発展する可能性は低めです。
  • 内部用スプレー
    熱交換器や吹き出し口内部のカビ・ホコリに直接噴射するタイプで、取り扱いに注意が必要。内部用スプレーはエアコンの奥深くにある熱交換器のフィン部分や吹き出し口周辺に付着したカビ・ホコリを取り除く目的で設計されています。

内部用はとくに注意点が多いため、使い方をよく確認してから使用する必要があります。

「自分で簡単にキレイにできる!」という売り文句が目を引きますが、実際には使い方を誤ると大きなトラブルを招く恐れがあります。

特に内部洗浄用スプレーで洗剤成分が奥に残ったままになると、カビや臭いの原因になったり、故障の原因になることも……。

手軽さと引き換えに、大切なエアコンを傷めてしまうリスクがあることを忘れないようにしましょう。

どこで買えるの?

エアコン洗浄スプレーは、全国のホームセンターやドラッグストア、家電量販店、さらにはネット通販などで簡単に購入することができます。

店舗であれば、カインズ、コーナン、コメリ、ビバホームなどのホームセンター等の、エアコンのコーナーに専用棚があることも多いです。また、ドラッグストアの一部でも取り扱いがあり、日用品と並んで置かれていることもあります。

ネット通販では、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどで多くの商品が販売されており、レビューや評価を参考にして選ぶこともできます。

ただし、ネットで購入する場合は「業務用」と表記された強力なタイプも混在しているため、必ず使用用途や注意事項を確認してから購入しましょう。

価格は製品によって異なりますが、おおよそ500〜1500円程度で手に入るものが主流です。

安く手に入るから、エアコン洗浄スプレーを使いたくなってしまうことも多いのですね。

エアコン洗浄スプレーをお勧めしない理由

冒頭でも記載したとおり、「エアコン洗浄スプレーで手軽に掃除できるなら、自分でもやってみたい!」という声は年々増えてきています。実際、インターネットやSNSには「簡単にできた」「安く済んだ」といった体験談も多く見受けられます。

しかしその一方で、「ニオイがひどくなった」「水漏れした」「動かなくなった」といったトラブルの報告も後を絶ちません。

手軽さゆえに見落とされがちなリスクや、お勧めしない理由について、プロの立場からしっかりとご説明いたします。

洗剤成分が完全に流れきらない可能性

スプレーで洗ったあと、奥に染み込んだ洗剤がそのまま残ってしまうと、時間が経つにつれてカビや臭いの原因になってしまいます。特にドレンパンやドレンホースに洗剤が流れきらず残ると、そこに水が溜まって雑菌が繁殖するケースも。

また、ドレンホースが詰まってしまうと排水がうまくいかず、水漏れの原因にもなります。これが床や壁紙への水シミにつながり、修理費用が高額になることもあります。加えて、湿気を帯びた環境にカビが増殖しやすくなり、エアコンをつけるたびにカビの胞子をまき散らすような状態になってしまう恐れも。

見えない部分だからこそ、余計に注意が必要なのです。

電装部へのダメージ・故障リスク

エアコン内部には電子基板やセンサーがあり、ここに水分や洗剤がかかるとショートや故障の原因になります。基板は湿気や薬剤に非常に弱く、一度ショートしてしまうと高額な修理費用が発生する恐れがあります。

最近のエアコンは省エネ性能が高いぶん、構造も複雑で繊細。センサー類も高性能化しており、微細な誤作動が起きるだけでも運転異常や停止を招くことがあります。

ちょっとした液だれで修理が必要になることもあり、最悪の場合は本体交換に至るケースもあるため、一般の方が安易にスプレーを使うのは非常にリスクが高いといえるでしょう。

キレイに掃除することは難しい

市販のスプレーでは、内部の奥深い部分までしっかりと洗浄することは非常に困難です。例えば送風ファンの裏側や熱交換器の奥などは、分解しなければ手が届かない構造になっています。表面的に見える部分だけを掃除しても、内部に残った汚れやカビはそのままになり、時間が経つと再び臭いやカビの原因になります。

また、洗浄スプレーの泡や液剤が、見えない奥に残ることで、新たなトラブルを引き起こすこともあります。汚れを完全に近い状態に取り除くには、やはり分解と高圧洗浄が必要であり、それは専門的な知識と技術が求められる作業です。

つまり、“キレイに掃除したつもり”でも、実は表面の目に見える部分だけだった……ということになりかねません。

メーカーも非推奨

実は多くのエアコンメーカーは、洗浄スプレーの使用を推奨していません。説明書にも「市販のスプレーなどは使用しないでください」と記載されていることがほとんどです。これは、スプレーによって内部に洗剤や水分が残ることで、故障やトラブルが発生しやすくなるためです。

メーカーとしては、安全かつ長く使ってもらうためにも、構造や電装部品に精通したプロによるクリーニングを前提に設計しているケースが多く、一般の方による不完全な洗浄はむしろ機器の寿命を縮めてしまう可能性があると判断しています。

また、万が一スプレー使用が原因で故障した場合、メーカー保証の対象外となることもあります。これらのリスクを回避するためにも、正しいメンテナンスは、やはり専門のクリーニングサービスに依頼するのが確実なのです。

ダイキン、三菱電機、hitachiなど大手メーカーも「非推奨」と公式サイトでも表明しています。使うのはできれば控えた方がよさそうです。

すでにエアコン掃除スプレーを使ってしまったら

すでに「もう使ってしまった……」という方もいらっしゃると思います。ここでは応急処置とチェックポイントをご紹介します。

まずは動作確認

スプレー使用後は、まずエアコンが正常に動作しているかどうかをしっかり確認しましょう。運転モードを切り替えてみて、冷風・温風がしっかり出るか、異常な音や臭いがしないかをチェックします。特に風量が極端に弱い、あるいは電源が勝手に落ちるような場合は、内部に洗剤や水分が残っている可能性があります。

また、エアコンの操作パネルやリモコンにエラー表示が出ていないかも確認しておくと安心です。問題がなさそうに見えても、見えない部分でトラブルが進行していることもあるため、慎重な判断が必要です。

長時間の送風運転を行う

洗剤が残っている可能性があるため、最低1〜2時間は「送風モード」で運転し、内部を乾燥させましょう。特に湿度の高い時期や気温が低い日は、乾燥に時間がかかるため、送風時間を長めに確保するのがおすすめです。

また、可能であれば1日1回、数日間にわけて送風を繰り返すことで、内部に残った水分をしっかりと飛ばすことができます。送風運転中はエアコンの前に家具やカーテンなどの障害物を置かず、空気の流れを妨げないようにすることもポイントです。

完全に乾かすには時間がかかるため、焦らず丁寧に対応しましょう。

ニオイがする場合

吹き出し口からカビ臭さを感じる場合は、残留洗剤やカビの繁殖が考えられます。特に内部洗浄用スプレーを使用した直後に臭いが強くなった場合、それは洗剤がしっかりと排出されていなかったり、すでに内部でカビが再繁殖してしまっているサインかもしれません。

このような状態で無理に運転を続けると、カビの胞子を室内に撒き散らしてしまい、アレルギーや喘息など健康被害の原因になることもあります。

こうしたリスクを避けるためにも、その場合は無理をせず、早めにプロへ依頼したほうが無難です。

その他点検

エアコン下部に水漏れや異音がないか確認しましょう。水漏れがある場合は、ドレンホースの詰まりや内部の結露が原因となっている可能性があります。また、ポタポタという水の音や、ガラガラといった異音がする場合も要注意です。これらは内部にカビやゴミが詰まっていたり、送風ファンに異常が発生しているサインかもしれません。

異常が見られた場合は、無理に運転を続けるのではなく、必ず電源を切ってからメーカー等の専門業者に連絡するのが最も安全です。故障の悪化を防ぐとともに、早めの対応で修理費用も抑えることができます。

どうしても自分でエアコンクリーニングする場合

「費用を抑えたい」「緊急でプロを呼べない」といった事情で自分で掃除したい方もいらっしゃると思います。そういう時は、以下のことに注意してエアコンクリーニングをしましょう。

1. 自分でできる範囲を見極める

内部の熱交換器や送風ファンの掃除は非常に難しく、分解が必要なため一般の方にはおすすめできません。できる範囲は、主に以下の通りです。

  • 外装カバーの拭き掃除
  • フィルターの洗浄
  • 吹き出し口の簡単な拭き取り

2. 必要な道具

エアコンクリーニングを安全かつ効果的に行うためには、適切な道具をそろえることが重要です。特に、高所作業や水を使う作業になりますので、転倒や感電などのリスクを減らすためにも、基本的な準備を怠らないようにしましょう。

以下は、最低限用意しておきたい道具のリストです。

  • 脚立:エアコンの位置が高い場合、安全に作業できるように高さに合ったものを選びましょう。
  • 養生用ビニールとテープ:周囲の壁や床を汚れや水滴から守るために使用します。エアコンの下には必ず敷くようにしましょう。
  • 手袋・ゴーグル:目と手を保護
  • 中性洗剤とブラシ
  • 雑巾やウェットティッシュ
  • エアコンフィルターブラシ(ワイパー)

エアコンフィルターブラシ、ふきだし口を拭き取るのにお勧めです。

3. 掃除の基本手順

エアコンクリーニングは、順番を守って丁寧に進めることで、安全にそして効果的に仕上げることができます。ここでは、誰でも実践しやすい基本的な手順を解説します。

  1. 電源プラグを抜く
    • 感電や機械の誤作動を防ぐために、必ず作業前に電源をオフにしてプラグを抜いておきましょう。リモコンでの停止だけでは不十分です。
  2. フィルターを外して水洗い
  3. 外装を固く絞った雑巾で拭く
  4. 吹き出し口も奥まで無理せず拭き取る
  5. 完全に乾かしてから電源を入れる

4. やってはいけないこと

「やってはいけない行為」を知っておくことは、事故や故障を防ぐうえでとても重要です。これまでにも触れていますが、確認のため記載します。

一見問題なさそうな行動でも、エアコンの構造を知らないまま行うと、思わぬトラブルに発展することがあります。以下のような行動は絶対に避けましょう。

  • 電源を入れたまま掃除
  • 熱交換器や電子基板に直接水をかける
  • エアコンを分解しての無理な清掃
  • 知識無くケルヒャーなどの高圧洗浄を使う

できればプロに依頼しよう!

プロのエアコンクリーニングは、目に見える部分の汚れやカビまでしっかり落としてくれるだけでなく、以下のようなメリットもあります。

分解洗浄で奥までスッキリ

高圧洗浄機を使い、熱交換器や送風ファンの奥のカビ・ホコリを徹底除去します。これはプロならではの技術と機材を駆使した作業で、表面だけでなく目視では確認できない奥深くまで洗浄することが可能です。

表面はキレイでも、内部に残る汚れがエアコンの臭いやアレルギー症状の原因になることは少なくありません。特に梅雨や夏の湿気が多い季節には、内部のカビが一気に繁殖し、健康被害につながるリスクも高まります。

プロの分解洗浄では、そういった見えない脅威までしっかり除去するため、エアコンの効きがよくなったり、消費電力が抑えられるなどの効果も期待できます。見た目以上に“中身”が重要なのです。

故障リスクが少ない

電装部品に気を使った安全な作業が可能なのは、やはりプロならでは。エアコンの内部には細かな配線や精密なセンサーが多く存在しており、分解時のちょっとしたミスが重大な故障につながる可能性もあります。

プロはそれぞれの機種に合った構造を熟知しており、どこに水をかけてはいけないか、どのネジをどの順序で外すべきかまで細かく把握しています。分解から組み立てまで、すべて丁寧かつ慎重に対応してくれるため、安心して任せることができます。

また、作業中に不具合が見つかれば、修理やメーカー対応のアドバイスももらえることが多く、そういった意味でもプロのクリーニングは非常に価値があると言えるでしょう。

万が一に備えて、損害保険・PL保険が付いている会社を選ぶとよいですね。

コスパも実は良い

1回のクリーニングでキレイニなるため、効果が持続し、これは長い目で見ればとても経済的です。エアコン内部が清潔に保たれることで、冷暖房効率が上がり、電気代の節約にもつながります。

さらに、アレルギーの原因となるカビやホコリを除去できるため、小さなお子様や高齢のご家族がいるご家庭では健康面でも大きなメリットがあります。

プロによる丁寧な作業は、見えない部分の安心感にもつながりますので、年に一度の大掃除や季節の切り替え時に検討してみる価値は十分にあるでしょう。

まとめ:失敗しないための判断基準とは?

エアコン掃除は、知識と注意を持てばある程度までは自分でもできます。ただし「見えない部分」に手を出そうとすると、かえってトラブルの原因に。

以下に当てはまる方は、ぜひプロにご相談ください。

  • エアコンからカビ臭さや異音がする
  • 小さなお子様やアレルギーの家族がいる
  • 数年以上エアコンクリーニングしていない
  • 分解・高圧洗浄が必要な汚れがある

よろしければ、ハウスクリーニングのアールおそうじセンターのエアコンクリーニングサービスも是非ご検討ください。

ご自身で掃除する場合は、できる範囲を守って、安全第一で作業してくださいね!

エアコンを清潔に保つことは、家族の健康と快適な暮らしを守る第一歩。これからの季節に向けて、ぜひ一度見直してみましょう!

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